阪神の新助っ人野手コンビ、ジャスティン・ボーア内野手(31=エンゼルス)ジェリー・サンズ外野手(32=韓国・キウム)がそろって実戦デビューした。

   ◇   ◇   ◇

わたしが新外国人ボーアにもっていたのは「三振かホームラン」といったイメージだった。でもその想像は広島とのデビュー戦の2打席目ですっかり覆されました。

広島先発アドゥワに対した3回1死満塁、2ボールになった場面です。続く3球目は厳しい球ではなかったが、ボーアのバットから放たれたのは、ショートへのライナーだった。

この好機は「4番」として引っ張るのだろうと思っていたから、コンパクトなバッティングにでたのは、新たな発見だった。つまりミートを心掛ける確実性も備えていたわけです。

それはこの一戦だけでなく、キャンプインからの打撃練習でも感じていました。基本的には長距離タイプだろうが、状況に応じた打撃をする器用さものぞかせていたからです。

一方、「3番」で起用された新外国人サンズのほうは、まだちょっと分かりませんな。ボールを見るところなど実戦派なのか、まだ評価の定まらないというのが本音です。

この2人の力量の見極めは当然として、わたしが関心をもっているのは「1番はだれが打つのか?」といった疑問です。チームの得点力アップは、トップバッターの出塁率によって変わってくるからです。

現時点で起用が考えられる「1番」は、糸井か、木浪か…。また近本の「2番」としての判断も必要でしょう。この1、2番を機能させることが、阪神打線のキーになるとみます。(日刊スポーツ客員評論家)

1回裏阪神1死、右前打を放つ近本(撮影・前田充)
1回裏阪神1死、右前打を放つ近本(撮影・前田充)