-勝った気がしない。最後はヤクルトに激しく追い上げられ、楽勝ムードは吹っ飛び、後味の悪さだけが残った。

梨田 もうちょっとピリッと勝ってほしかったね。ハラハラドキドキもいいが、とても勝った気にはなれないだろう。8回は果たして尾仲だったのか。打たれたからの結果論で指摘するわけではない。だが終盤は継投ミスといえるだろう。

-6点リードの8回。阪神ベンチが西に代わって投入したのは尾仲だった。1死から代打川端に中前打、坂口四球、山田哲に詰まった中前打で満塁。たまらず3番手としてつぎ込んだ岩貞が3番青木に満塁本塁打を浴びてしまった。

梨田 すでにオーダーから、糸井、サンズ、ボーアを外したということは、チームとしては点をとらずに勝つという姿勢を示したと言える。しかし、6点リードとはいえ、8回に送り込む人材に尾仲の選択は考えにくい。勝ちパターンのガンケル、岩崎、スアレスはない。能見、あるいはイニングの頭から岩貞の投入だったはずだ。

-先発西勇は完封ペースだった。しかし、7回村上に特大本塁打を浴びたことで6点差になっていた。

梨田 23日のカード3戦目を考えると、村上には打たせたくない、打たれたくなかった。不用意ではなかったが、村上を調子づかせた。西勇は116球の球数を考慮したのか、完封がなくなったから代えたのか分からない。だが継投するにも、3戦目に先発する秋山はある程度のイニングを投げてくれる算段も立っているはずで、勝ちきるための継投は絶対だった。もう一つ言わせてもらうと、前日(21日)藤浪を7回のマウンドに立たせたのも解せなかった。チーム3連勝で上位浮上をうかがいたいところだが、今後の戦いも含めて継投はポイントになる。

【取材・構成=寺尾博和編集委員】