日本ハムの5回、清宮の2打席目がさみしかった。2回はカーブを空振りして3球三振。「次は絶対に打ってやるぞ」と臨むはずの打席で、初球のストライクのカーブに腰を引いて見逃した。さらに真っすぐにも手が出ず、最後は空振りで2打席連続三振。何を狙っているのかもわからず、何も得るものがない打席だった。なかなか調子が上がらない中でも、栗山監督は我慢強く起用を続けている。おそらく「きれいに安打を打て」なんて思っていないはず。「ここに来たら絶対に打つ」というスイング、姿が見たいのだ。あの打席はいつもよりも腰を踏み込み、死球でもいいという覚悟が欲しかった。

調子が悪いときにいろいろ悩んでしまうというのはわかる。でもそんなときこそ、ストレートに合わせるのが原点だと思う。実際に開き直った8回の第3打席は、初球の直球を捉えてフェンス手前まで運ぶ右飛。いいスイングだったが、開き直るのが遅い。この日のポイントは、2打席目だった。

結果が欲しくてインパクトを探る（ボールに当てにいく）ようになれば、テークバックは浅くなり、トップからの距離も取れなくなる。気持ちと技術、両面で修正していってもらいたい。（日刊スポーツ評論家）