阪神がチーム8連敗後、2連勝を決めた。これで対巨人6カード連続の勝ち越しに王手をかけた。

吉田 「伝統の一戦」の前半戦は静かな戦いで迫力を欠いたが、阪神がなんとかゲーム終盤に点を取って決着がついた。エース格の西勇が抑えて、4番佐藤輝が打って、投打の主力で勝ち切ったところに意味があった。今年の阪神は巨人とのカードに勝ち越して弾みをつけている。これで再び上昇していくのではないだろうか。いかん、いかんと言われる3番ロハスも働いたが、特に佐藤輝を早く4番に戻した判断が、好結果となって表れた。

7回無死二塁からの佐藤輝は巨人山崎伊から代わった今村のフォークを左前に運び先取点を挙げた。8回にも2点三塁打で勝負強さをみせつけた。

吉田 7回は詰まった当たりだったが、バットを振り切っているから貴重なヒットになった。8回も芯ではなかったが、センター丸の頭上を越えるのは、佐藤輝のパワーならではだ。ノーヒットが続いた苦しい時期もあったが、わたしには少し壁を越えたように見える。

セ・リーグの2位以下の戦いは順位が激しく変動し、今後も先が見えない状況が続くだろう。阪神はシーズン残り30試合になった。

吉田 わたしは終始一貫、ヤクルトを脅かすのは阪神だと思っている。ただもう少し巨人には強くなってもらわんとあかんね。ヤクルトも決して安泰ではない。人は笑うかも知れないが、阪神は可能性がある限り、捨てず、あきらめず、ヤクルトに追いつき、追い越すつもりで、ベストの戦いをすべきだ。それもこの1勝のように、主力で勝っていくことだ。【取材・構成=寺尾博和編集委員】

巨人対阪神 完封勝利を挙げた西勇(左)は坂本と笑顔で抱き合う(撮影・加藤哉)
巨人対阪神 完封勝利を挙げた西勇(左)は坂本と笑顔で抱き合う(撮影・加藤哉)
巨人対阪神 8回表阪神2死一、三塁、佐藤輝は中越え2点適時三塁打を放ちポーズを決める(撮影・加藤哉)
巨人対阪神 8回表阪神2死一、三塁、佐藤輝は中越え2点適時三塁打を放ちポーズを決める(撮影・加藤哉)
巨人対阪神 7回裏巨人2死一塁、西勇は岡本和を三振に仕留めガッツポーズを見せる(撮影・加藤哉)
巨人対阪神 7回裏巨人2死一塁、西勇は岡本和を三振に仕留めガッツポーズを見せる(撮影・加藤哉)