今季、育成から支配下選手となった巨人平山は6戦目の先発出場とは思えない、冷静な投手との駆け引きに将来性を感じた。2回の打席では、カウント2-1から4球目の141キロ速球を左中間へプロ1号を運んだが、左投手特有の外角へ逃げて落ちるチェンジアップをしっかり2球見極め、ストライクをとりにきた内角高め速球をはじき返した。相手の技巧派左腕の片山からすれば右打者へのチェンジアップはゴロ、空振りを奪うボールで生命線だったが、平山は術中にはまらなかった。
3回の打席では1ストライクから、2球目の112キロカーブを右前打し、チャンスを広げた。1球目の速球を平然と見送り、2球目のカーブを右方向へ狙い打ちした。1、2打席ともベテランのような、ある程度配球を読んだバッティング。特に2打席目のつないだ打撃は、巨人が苦手とする左投手を攻略する、理想的な打撃だった。
実は平山には注目していた。開幕前のオープン戦で育成選手では史上初の2試合連続本塁打を放った試合を見て、タイミングの取り方や見逃し方で崩されないところに打撃センスを感じ、この選手は伸びる要素があるという評価をしていた。
185センチの長身で天性的なバネがある。とかくバネがある選手は瞬発力があって、バットのヘッドスピードが速い。ボールをとらえるポイントを近くできるので、速球を狙っていて変化球がきたとしても対応できる確率が高くなる。
巨人は今季ここまで先発左腕との対戦が10度で4勝6敗。対左投手のチーム打率は2割1分4厘で、右投手の2割3分より低かった。3回の5得点の攻撃は、小浜、浦田も逆方向へ適時打を放った。相手先発がルーキー左腕というところは差し引いて考えないといけないが、苦手にしていた“左腕アレルギー”を少し克服できたのではないかと思う。
泉口ら主力がケガで離脱。平山、小浜ら若手には、チャンスが転がっている。巨人に限ったことではないが、長いペナントレースを考えたら、主力にケガ人が出たときに、いかにカバーできる戦いができるかはポイント。若手の活躍はチームに勢いをもたらすはずで、そういう意味では次の試合はすごく重要だと思う。(日刊スポーツ評論家)






