冷静沈着なヤクルト小川監督の表情が、思わず緩んだ。9日に金沢で行われた中日戦の試合前練習が始まる前。10日の休養日の予定を聞かれると「息子のところに行ってくるよ。子どもが生まれたから」と明かした。7日に兵庫に住む長男に女児が誕生。小川監督にとっては初孫になる。「生まれたばかりだから、誰似とかはないよ」と言いつつも、目尻は下がっていた。

 試合後に富山に移動し、翌朝に新幹線で東京へ。そこから兵庫県を日帰りで往復し、初対面を果たした。すやすや眠る赤ん坊を、しっかり抱き上げた。滞在時間は短かったが「かわいかったよ」と初孫からパワーをもらった様子だった。11日のDeNA戦で「じぃじ」初勝利をマーク。「孫もそうだけど、子どもの誕生を境に、一気に成績が上がる選手っているんだよ。逆に、ホッとしてか分からないけど下がっちゃう人もいるんだけどね」と“球界あるある”を教えてくれた。

 小川監督の話に照らし合わせると、ブキャナンは間違いなく前者だろう。アシュリー夫人が10月に第1子を出産予定。新しい家族のためにと奮闘し、15日現在ではチームトップの4勝。夫人のおなかの中に宿る子どもの存在を、大きな力に変えている。直近の検診で「男児」と判明し、テンションはさらにアップしている。ヒーローインタビューでの決めゼリフとなりつつある「オトウサン ガンバリマシタ!」が、まだまだたくさん聞けそうだ。【ヤクルト担当 浜本卓也】