<西武6-14ソフトバンク>◇1日◇メットライフドーム

 ソフトバンクの育成出身ルーキー左腕、大竹耕太郎投手(23)が支配下選手登録からわずか2日で1日の西武戦(メットライフドーム)に先発し、強力西武打線を相手に堂々の8回2失点。育成出身の新人として史上初となる初登板初勝利を成し遂げた。

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 ソフトバンク大竹は早大から史上2人目の育成でのプロ入りだった。早大3年から右膝、左肩など故障が続き不振に苦しんだ。済々黌時代からドラフト候補だったが、4年秋に誘いが来たのは育成前提のソフトバンクだけだった。それでも社会人からの誘いを断り、プロ志望届を出した。

 福山アマスカウトチーフは「育成でもプロで勝負をかけたいという強い思いを感じた。山本省吾担当スカウトの推薦がなかったら指名はなかった」。大竹の強い思いと追いかけ続けてきた山本スカウトが4年秋の状態から、プロでも通用するという報告にかけた。宣言通り2月のキャンプから体幹を中心に鍛え筋肉量を増やし、130キロ台前半だった直球も最速143キロにアップした。久保2軍コーチの教えを守るために、この遠征にも踏み台を持参。長い棒を振りフォームを確認した。

 大竹は「誰よりも練習してきた」と話す。70人枠の70人目に滑り込んだ左腕には、強い精神力がある。【ソフトバンク担当=石橋隆雄】