西武ザック・ニール
西武ザック・ニール

華麗なる一族の西武ザック・ニール投手(30=ドジャース傘下)は、大きな夢を抱きながら新天地・日本にやってきた。来日から1カ月半、日本の暮らしに慣れてきた。「もともと日本食は大好きで何でも食べられる。すしもヌードルも焼き肉もね。箸の使い方も大丈夫。スプリングトレーニングを積んだから」と、ジョークを飛ばし陽気に話す様子から充実感が伝わる。

数日前にはキアナ夫人が来日。実は夫人が野球一家だった。父ボビー・ウィットはレンジャーズやアスレチックスでプレーし通算142勝の名投手。さらに夫人の弟ボビー・ウィット・ジュニア(コリービル高校)は今春のMLBドラフト1位候補で、遊撃手ながら打撃力もあり、投げれば98マイル(158キロ)という中日根尾のような逸材。華麗なるメジャー一族だという。

ニールは3年前にメジャー昇格を遂げ、通算31試合登板2勝4敗2セーブ。マイナーとの昇格と降格を繰り返す中、ある思いがあった。「ここ5年の状況を考えると何か環境をかえないといけない」。日本でのプレーを希望した。「だから日本で野球人生を終えるつもりできた」。その覚悟は本気だが、夢は忘れない。

このオフは義弟のジュニアと一緒に自主トレした。「彼と直接対決することが夢なんだ」。12歳年下で、舞台も日本と米国で離れている。実現の可否は分からない。ただ野球を続けている限り可能性は0%ではない。普段から笑顔を絶やさぬナイスガイ。一方でオープン戦初先発前は緊張をほぐすためかヘッドホンを離さなかった。マジメな性格は四球が少ない投球スタイルに表れる。

19日オープン戦本拠地初戦で先発。4月2日ロッテ戦でダブル本拠地開幕投手の可能性もある。「ホームで多くのファンの前で投げることはうれしい。でもどこで投げても(ベースまでの)18・44メートルという間隔は同じだよ」。新たな挑戦が始まる。【栗田成芳】