<ソフトバンク9-4西武>◇28日◇ペイペイドーム

プロ10年目のソフトバンク柳田悠岐外野手(31)が、節目の1000安打で14安打9得点の逆転大勝に貢献した。

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「単勝1倍台」の苦しみを味わったからこそ、柳田は今、野球を楽しんでいる。右肘手術の影響で出遅れていた今年2月のキャンプ中に大真面目な顔で言った。「おれ、アーモンドアイの気持ちがわかるんよ」。大の競馬ファンでもある柳田は、圧倒的な強さで人気を博す名馬を引き合いに苦しんだ昨季を振り返った。

アーモンドアイは昨年の有馬記念でファン投票1位。レースでは単勝1・5倍の圧倒的な支持を集めながら大敗していた。「プレッシャーはすごいと思うよ」。独特の感性で、馬の気持ちを想像した。柳田も自身の立場を理解している。球宴ファン投票では16年から3年連続で最多得票。球団からも昨オフに異例の7年契約を提示された。ファンから、チームからの期待の大きさを知っている。だからこそ、左膝裏のけがで4カ月半離脱し、アーモンドアイ級の期待を裏切ってしまった昨季が悔しかった。

今年は故障明けでもあり「レギュラーじゃないと思っている」と謙虚に、伸び伸びとプレーしている。ここまで全試合出場の原動力は「楽しいから。楽しいからです」。お立ち台で繰り返した言葉は心から出たのだろう。【ソフトバンク担当=山本大地】

ソフトバンク対西武 8回裏ソフトバンク1死、柳田は遊ゴロ内野安打を放つ(撮影・今浪浩三)
ソフトバンク対西武 8回裏ソフトバンク1死、柳田は遊ゴロ内野安打を放つ(撮影・今浪浩三)