楽天に、静かに闘志を燃やしている男がいる。小深田大翔内野手(26)だ。悔しい終盤戦を送っている。今季はこれまで遊撃手として91試合に先発。このまま不動のレギュラーとして定着と思いきや、ライバル山崎が台頭。9月2日から15試合連続で、遊撃手の先発を明け渡している。本職ではない、外野手としての出場も増えてきた。

19日の西武戦では「8番左翼」で先発。まずは左翼守備で魅了した。6回1死走者なし、左翼ファウルゾーンに飛んだフライをフェンスに激突しながらスライディングキャッチ。「内野の僕が外野を守っているので、必死にプレーした結果だと思います」と気迫を見せた。直後の7回2死一、二塁で迎えた第4打席、1ボールから公文の高め直球を振り抜き、右越え2点適時二塁打を放ち、待望の追加点をもたらした。3回無死満塁では二ゴロ併殺に打ち取られていた。「なんとか取り返そうという気持ちでいました」と、執念で点をもぎ取った。

小深田はクールでもの静かな性格。どちらかと言えば感情を表にあまり出さないが「悔しい気持ちはすごくあります」。内に秘める熱く強い気持ちが、プレーににじみ出てた。【楽天担当=湯本勝大】

西武対楽天 7回表に2点適時二塁打を放った楽天小深田(右)はベンチへ戻りチームメートとタッチを交わす(撮影・滝沢徹郎)
西武対楽天 7回表に2点適時二塁打を放った楽天小深田(右)はベンチへ戻りチームメートとタッチを交わす(撮影・滝沢徹郎)