日本ハムのボールパークにいる「Fビレッジおじさん」をご存じだろうか。

プロフィルは「Fビレッジ公式目安箱。Fビレッジのことが誰よりも好きなおじさんです。#聞いてよFビレッジおじさん であなたの困り事を教えてください。一緒にFビレッジをより良くしていきましょう」。ツイッターのアカウントの1つで、来場者が新球場やFビレッジ全体で気になること、改善して欲しいことなどを投稿すると、球団が把握し、改善のための一助としている。

2月にアカウント作成。投じられたツイートを元に、続々と新しい設備が追加配置されるようになった。センター方向の回遊エリアなど、ところどころに、長椅子が置かれている。これは、オープン戦が始まった頃や開幕時にはなかったが、球団関係者に聞くと「チケットなしで入場される方も多く『座るところがほしい』というメッセージをいただいた」。他にも「球場内で水を販売してほしい」というつぶやきに反応し、試合開催日は無料で飲める複数のウオーターサーバーを配置した。場内での食事やグッズ購入などがすべてオンライン決済のため「携帯の電池が減るので充電する場所がほしい」という要望を受け、モバイルバッテリーのシェアリングサービスも導入した。

開業後も来場者が困っていないか現場で確認するため、球団幹部が業務の合間を縫い、場内を巡回している。今春就任の小村球団社長は「開業はスタート。ここから常に前に進化していかないと」と言う。できたてほやほやの新球場。利用しやすくするための細かな気配りと優しさを盛り込もうと汗流す「Fビレッジおじさん」の奮闘は、まだ始まったばかりだ。【日本ハム担当=永野高輔】