野球の国から

病院に戻ってきた自然な会話 マリーンズにワクワク

<つなぐ(1)>千葉市在住ロッテファン:子安浩子さん(60=看護師)

野球を心の支えとし、新型コロナウイルスに正面から立ち向かっている方々がいる。「つなぐ」と題して市井の思いを送る。飾らない言葉を通すと、野球が持つ本質の魅力が浮かんでくる。

ロッテファンの看護師の子安浩子さん(左)と夫吉治さん
ロッテファンの看護師の子安浩子さん(左)と夫吉治さん

私が勤める病院はコロナ治療にあたっているわけではありません。それでも3月以降、いろいろ影響を受けました。

入院患者さんとの面会は全面禁止。新規の長期受け入れもお断りしました。ウイルスを持ち込ませないためです。

常に緊迫感がありました。入院されている方は外部と接触がない。要は、働いている私たちが感染させてしまう可能性がある。検温はもちろん、病院に入る前からマスクは必須です。改めて、手洗い指導も受けました。自分の病棟以外は応援に行かないルールもできました。私生活でも外出は控え、家族にも出歩かないでもらいました。

以前は多少具合が悪くてもシフトに穴をあけないよう、薬を飲んで出勤することも。今は、絶対ダメです。ちょっとでも熱が出るとドキドキします。幸い、うちは誰も感染者が出ていませんが、院内感染は人ごとではありません。無症状の人もいる。怖いです。

そういう毎日でしたので、職場から野球の話題が消えてしまいました。地元ですからマリーンズファンが多い。ドクターも、スタッフも。「いつ石垣に行きますか」「開幕のチケット、取りましたよ」。普段は、そんな会話が自然と出てました。

開幕がなくなった時はどうなるんだろうとは思いましたけど、正直、それどころではありませんでした。4月は物資不足が深刻。手洗い用アルコールが見たことないものになっていき、最後は高濃度アルコールを薄めて配布するからと。保湿剤が入ってないので手が荒れます。介助用エプロンも、どんどん粗悪になっていき、最後はマリーンズのポンチョを使うしかないと本気で思いました。

千葉に移転して以来のファンです。05年の日本一から本格的に見るようになりました。年間シートを購入し、夫(吉治さん)と一緒に、遠征も含め年80試合は行きます。(ZOZO)マリンが気持ちいいんですよ。仕事終わりに風に吹かれて。野球は生活の一部ですね。仕事が緊迫しているから、それを抜いた時、すごくリラックスできる。あと、チームから学ぶことも多いです。それぞれの役割がある。私の仕事にも結びつきますね。勝手なこじつけかも知れませんけど。

ようやく開幕が決まった時、理学療法士さんが来て「先発6枚、いますかね?」と。久しぶりにワクワクしました。入院する子どもさんがマリーンズのユニホームを着てたり、そこにサインがしてあったり。誰の? って会話が始まります。少年野球でマリンで投げたんですよ、なんて話もあるし、ご家族がファンつながりで結婚された患者さんも。地元に球団があるって、こういうことなんですね。また球場で観戦できる日が来ました。今は、シフトの希望を考えています。【取材=古川真弥】

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