巨人がヤクルトに延長戦の末敗れ6連敗を喫した。野球評論家の西本聖氏にテレビ観戦で巨人の戦いぶりをチェックしてもらった。

 -メルセデスの好投も報われず6連敗

 西本氏 広島に3連敗した悪い流れをこのヤクルト3連戦でも止められなかった。ただ止めるチャンスはあった。

 -具体的には

 西本氏 24日の初戦。0-0の2回裏、亀井が相手の内野ゴロ悪送球で出塁し無死二塁。悪い流れを断ち切るにはここで是が非でも先取点が取りたかった。しかし陽岱鋼に打たせて三振。打たせることは悪いことではないが、何とか走者を三塁に進めてほしかった。結局、無得点に終わり3回に2失点。悪い流れが続く結果となった。まず先取点。1点を取らなければ2点、3点はない。エラーからもらったチャンスを生かしたかった。

 -25日の2戦目はヤングマンがバレンティンに痛恨の逆転3ランを浴びた

 西本氏 カウント3ボールから打たれた。3ボールになった時点で歩かせても良かった。ここはベンチがはっきりと指示するべきだったのでは。満塁にしても2点リード。次の打者は雄平だが、バレンティンに比べれば一発の危険性は低い。ここは本塁打だけは防がないといけない場面。防げたと思う。悔いが残る1球となった。

 -今季の巨人は被本塁打が多い

 西本氏 103本(26日終了時点)という数字は12球団ワースト。3桁打たれているのは巨人とソフトバンク(102本)だけ。

 -どこに原因があるのか

 西本氏 やはり全体的にボールが高い。コースは多少甘くてもいいから高さだけは気をつけないといけない。低めに投げる意識。プロなんだから当たり前のことだと思うが、これが出来ないのは恥ずかしいこと。

 -その他、気付いた点は

 西本氏 26日の第3戦。メルセデスは良く投げた。丁寧に低めを突いてゴロを打たせていた。ただ、7回の打席。2死走者無しから詰まった遊ゴロを打って一塁に全力疾走した。結果、次の8回は無失点に抑えたが、明らかに投球内容は悪かった。ここはベンチが「打たなくていい」としっかりと指示を出すべき。それともう1点。1点のリードを守るためになぜ捕手を宇佐見から小林に代えなかったのか。メルセデスに代わって9回はマシソン。ここはバッテリーごと代えても良かった。結局9回、安打で出た山田哲に走られてしまい、そこから同点に追いつかれた。宇佐見より小林の方が走りづらいはず。1点を守るためにベンチが動かないといけなかった。

 -このままずるずる行くとCS進出も危ない

 西本氏 勝つためには点を取らないといけない。1点を取れば、2点、3点を取るチャンスが生まれてくる。首位広島は打順に関係なく貪欲に点を取りにいっている。主導権を握ってとにかく勝たないと、流れは変わらない。