第89回選抜高校野球大会は、史上初の大阪勢対決の決勝に勝利した大阪桐蔭が優勝を飾った。早実(東京)の清宮幸太郎内野手(3年)、履正社(大阪)の安田尚憲内野手(3年)らが、今秋のドラフト1位候補に挙がるのは大方の予想。その他にも、福岡大大濠の三浦銀二投手(3年)、大阪桐蔭の徳山壮磨投手(3年)、東海大市原望洋の金久保優斗投手(3年)らが、高校トップレベルの投球で沸かせた。

 高校からプロに進む選手もいれば、大学、社会人を経て、トップレベルに上りつめる選手も存在する。ここでは、ネット裏でのスカウト取材を通じ、素材の良さや将来性の高さ、非凡な能力などを評価基準に、プロのスカウトが挙げた期待の逸材を抜粋(今回は3年生限定)し、論評とともに紹介する。第1回の投手編(4月6日)に続き、第2回は野手編。

 ◆桜井周斗投手(日大三・3年)

 「投手としても、安田、清宮を三振させたスライダーは一級品。打者でも非凡な能力を持っている。春の都大会でもライナー性で右翼席に運んだように、振りがシャープで、打者でも高校生ではトップレベル」

 ◆橘内俊治内野手(早実・3年)

 「昨秋の大会で5割を超えたように、癖のないきれいなスイングで、バットがスムーズに出てくる。しっかり振れる点も好印象で、今後の成長が楽しみ」

 ◆鈴木萌斗外野手(作新学院・3年)

 「打撃、守備における身のこなしに潜在能力の高さとセンスを感じる。50メートル5秒9の俊足、センバツで3盗塁を決めたスタートの良さも◎。今後、体が強くなってくれば、大きな可能性を秘める」

 ◆篠原翔太捕手(報徳学園・3年)

 「肩が強く、スローイングも素早く、盗塁は3度の企画で2度刺した(前橋育英戦)。打撃は長打力を秘めながら、逆方向に打つ器用さも兼ね備える。フットワークなどを磨けば、飛躍の可能性は大」

 ◆西浦颯大外野手(明徳義塾・3年)

 「高校生の中ではトップクラスのセンスを持ち、走攻守3拍子そろった外野手。特に打撃はパワーを兼ね備えた上に、バットコントロールの良さも光る。守備への意識も高く、伸びしろにも期待」

 ◆新田旬希内野手(市立呉・3年)

 「走攻守3拍子そろった1メートル82の大型遊撃手。守備の動きも良く、打撃も巧打者タイプで今後の伸びしろが期待される。中国地方では宇部鴻城の嶋谷の注目が高かったが、新田もセンバツで評価を上げた」

【久保賢吾】

早実・橘内俊治内野手(2016年11月15日撮影)
早実・橘内俊治内野手(2016年11月15日撮影)
作新学院・鈴木萌斗外野手(2016年10月29日撮影)
作新学院・鈴木萌斗外野手(2016年10月29日撮影)
報徳学園・篠原翔太捕手(2017年3月30日撮影)
報徳学園・篠原翔太捕手(2017年3月30日撮影)
明徳義塾・西浦颯大外野手(2016年8月16日撮影)
明徳義塾・西浦颯大外野手(2016年8月16日撮影)
市立呉・新田旬希内野手(2017年1月27日撮影)
市立呉・新田旬希内野手(2017年1月27日撮影)