「朗希2世!?」と早くも評判の小学6年生に会いに行った。3日、大船渡(岩手)の最速163キロ右腕・佐々木朗希投手(3年)を観衆2800人が目撃した釜石市・平田球場。11歳の逸材は、なんとそのすぐそばに住んでいた。

名前は金野快(こんの・かい)君。平田小に通い、軟式の釜石ファイターズでプレーする右腕投手だ。キャッチボールの相手をした。力みがなく、しなやかなフォーム。回転の良い直球にスピードガンを向けると初速102キロ、終速96キロ。伸びがいい。最速は105キロだという。小6春の時点では相当速い。

すでに「お墨付き」もある。今年1月、ソフトバンク工藤公康監督(56)が野球教室で釜石に訪れた。いつも熱心な指導を展開する同監督が「直すところがない」と快君を絶賛し、関係者には「お願いだから大事に育ててください」と伝えたという。

同級生で頭1つ大きいという163センチ右腕のあこがれは、やはり同じ三陸育ちで6歳上の163キロ右腕。「すごい。あこがれる存在です」とYouTubeでよく動画を眺める。実績もついてきた。市選抜チームの大黒柱として、すでに全国大会1勝を経験。5回11奪三振の投球をするなど、すでに三陸では無敵の存在になりつつある。

3月末、佐々木は練習試合で訪れた千葉県の球場で「今の小学生とか、野球を始める子に、沿岸みたいに野球が盛んじゃないところでも(プロに)行けるんだということを伝えたい。そうなれば夢があると思うし、そういう存在になれたら」と話していた。呼応するように台頭した、プロ野球を夢見るスーパー小学生。さらなる復興へ進む令和の三陸で、野球少年たちがその推進力の一翼を担っている。【金子真仁】