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たまには夢物語、福留以来「19歳五輪代表」見たい

ウイルス騒動に翻弄(ほんろう)される球界。いわゆる「練習試合」はこれが一応のラストだ。午後4時からの開始。阪神は試合後に地元に戻るので時間が気になる。それが関係したのかどうか。試合は淡々と進み、0-0で終わった。

阪神対ソフトバンク2軍戦 5回裏阪神1死三塁、中谷将大の適時内野安打で生還した遠藤成(右)は井上広大の出迎えに笑顔を見せる(撮影・上田博志)
阪神対ソフトバンク2軍戦 5回裏阪神1死三塁、中谷将大の適時内野安打で生還した遠藤成(右)は井上広大の出迎えに笑顔を見せる(撮影・上田博志)

虎番サブキャップの桝井聡と試合を見ながらいろいろと話す。こんな巡り合わせの話をした。現状、阪神の開幕カードは4月24日からの中日3連戦(ナゴヤドーム)。その3戦目、26日はベテラン福留孝介の誕生日だ。43歳になる。

「あのトシでな。イチローもそうやったけど、すごいよな」。そう言うと中日時代から福留を取材する桝井は「福留さんは他にもすごいことがあるんです」と言う。野球のオリンピック代表史上、最年少タイ記録を作っている(メモ参照)。

業界で無敵を誇る日刊スポーツ東京本社の記録部に確認すると確かにそうだった。福留は19歳で96年のアトランタ五輪に出場。当時はアマチュアで編成されており、福留はPL学園から日本生命に入った1年目だ。2本塁打をマークし銀メダル獲得に貢献している。

個人的には五輪野球はアマチュアで戦えばいいのではと考えている。プロにはWBCがあるし、アマ最高の舞台にすればいい。プロが参加する場合はサッカーのように年齢を限って若手が出ればいいとも思う。

とはいえ来年の東京オリンピックでの「侍ジャパン」はオール・プロで方針も決まっており、そうはいかない。しかも野球競技はこれが一応の最後だ。

最後の舞台で最年少記録に並べる選手はいないか。特に阪神で。そう言うと桝井が言った。「井上ですね」。履正社からドラフト2位で入団したばかりの井上広大は来年8月12日で20歳になる。今年の8月からからそれまでは19歳だ。

「夏までに」という首相・安倍晋三の言葉が本当なら東京五輪は8月までにやってくる。井上が選ばれるようなことになれば。この男に聞く。阪神のヘッドコーチ清水雅治。侍ジャパンの外野守備走塁コーチだ。

「井上ですか。確かにそうですね。でも野手は大変なんです。メンバー24人で投手が11人なら13人。12人なら12人しか入れない。そんなことがあれば名誉ですよ。目指してほしいね」。1、2年目でそんな大活躍ができるかどうか。世の中は暗い話題ばかり。たまには夢物語もいい。(敬称略)

<19歳で五輪野球日本代表になった選手>

★荒井幸雄(日本石油)=ロス五輪(84年)

★潮崎哲也(松下電器)=ソウル五輪(88年)

★福留孝介(日本生命)

★小野仁(日本石油)=アトランタ五輪(96年)

★杉内俊哉(三菱重工長崎)=シドニー五輪(00年)

★田中将大(楽天)=北京五輪(08年)

記者生活30年超の高原寿夫・編集委員が、今シーズンの矢野タイガースに鋭く迫ります。

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