後半戦初の連敗というのも逆にすごいが移動ゲームで延長12回の末、負けたことは少しこたえるかもしれない。そんなゲームの中で「おや?」と感じたのは坂本誠志郎だった。
この日もスタメンマスク。7回までに3三振を喫すると延長10回にまわった4打席目も三振だ。この日が出場82試合目だが過去、3三振もなかった。粘りがないというか、打席での元気のなさが気になったのだ。
今季ワーストタイの8失点を喫して負けた前日の中日戦(バンテリンドーム)も少し驚いた。1試合で2つ捕逸を記録。バッテリー・ミスが失点にも絡み「すごく迷惑をかけてしまった。僕のせいで負けた。僕のせいで勝てる試合を次はつくりたい」と話していた。
その翌日に今季初の4三振である。その様子を見て、どうしても気になるのは疲労の2文字だ。ここまで首位を走り続けてきたことに坂本の力が大きいのは言うまでもない。坂本本人にそんなことを聞けばキッパリと否定するだろうが、疲れはあると思う。
昨年にFA権を取った坂本は去就が注目されたオフ、残留を決めた。大山悠輔の残留同様に、あるいは主力捕手という立場を考えれば、それ以上にチームにとって大きい出来事だったと思っている。指揮官・藤川球児になってから、これまで以上に坂本の重要度が増していることは虎党なら先刻承知だろう。
プロ10年目の坂本、過去もっとも多く試合に出たのは阪神が日本一に輝いた23年の84試合。今季、それを更新することは間違いない状況だ。その23年は第2次政権に就いたばかりの前監督・岡田彰布(オーナー付顧問)が「正捕手は梅野」と明言して始まったシーズンでもあった。
その年は梅野の故障もあったが実力で周囲に認めさせた部分も大きい。だからこそ、完全に正捕手となっているのだ。先日、その座を奪われた形の梅野と少し話した。彼はこんなふうに言ったものだ。
「プロは成績、結果の世界だから仕方がない。長い間やればやるほど、それまで以上のものを出さないといけないですから」。さっぱりした性格の梅野らしく、現状を見つめていた。
それでも疲れるときは疲れる。誰でも同じだ。球児は先日「梅野には梅野の良さがある」とも言っていた。ここは少し先輩・梅野がカバーする時期のような気もするのだが-。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




