「マツダスタジアムで強い阪神」は今年も続くのか。広島とのオープン戦1試合目はそんな印象を受ける快勝だ。なんと言っても昨季は広島相手に19勝6敗の貯金「13」と、セ・リーグで最多の勝ち越しを決めている。シーズンそのものの貯金は「31」だったので、その半分近くが広島からいただいた格好だ。
何より圧倒的だったのは敵地、ここマツダスタジアムでの戦績である。11勝2敗。本拠・甲子園の8勝4敗を上回る勝率だった。そんなことを考えていると懐かしい顔に会った。
嶋重宣。カープファンには懐かしい「赤ゴジラ」だ。投手で広島に入団したが非凡な打撃を買われ、野手転向。04年には首位打者にも輝いている。現在は西武のプロ担当チーフ。トレードなどを念頭に他球団の戦力をチェックする、いわゆるプロスカウトだ。雑談する中で出てくるのは阪神に対しての見立てだ。
「やっぱりいいですよ。戦力がそろってきている。例年、ドラフトがいいですよね。必要なところをきっちり補強して、育てていると思います。高寺(望夢)とかも出てきてますもん」。しっかりとチェックしているようだ。
強い阪神にあって近年の課題はレギュラー組と、その次の層との格差だったが、そこも徐々に埋まってきているということかもしれない。佐藤輝明、森下翔太とWBCを戦う侍ジャパンに供出している2人は別格にしても、その次を狙う争いが激化しているということか。
嶋が名前を上げた高寺もこの日は途中から出場。「六甲おろし」が流れた7回表に広島の救援陣である島内颯太郎から適時二塁打を放つなど仕事をした。「シーズンでも、そういう投手から打てるようにやっていきます」。元気のいいコメントも出たのである。
高寺とポジション争いをする形の中川勇斗も伸びている。この日は豪快な一発を放った。繰り返すがAクラスが続いてもウイークポイントとして指摘される「層の薄さ」が解消できつつあるなら、本当に黄金期の到来かもしれない…などと妄想してしまう。
もちろん、まだシーズンは始まっていない。OP戦の結果はあまり関係ないというのも事実だ。とはいえ、なかなか悪くないこの流れを2週間後、さらにその先までうまく持っていけるか。連覇へ向け、いよいよ大事な時期に入ってきた。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




