面白い試合だった。驚いたのが佐藤輝明、森下翔太、さらに坂本誠志郎のWBC組トリオが合流はもちろん、いきなりスタメン出場したことだ。それぞれ安打はなかったものの、さすがの若さというか、元気なところを見せてくれたのは本当によかったと思う。
「止まっている場合ではないですから」。虎番キャップたちからこの点について聞かれた指揮官・藤川球児がそう答えたのは、その通りだ。それはそれ、これはこれ…で、次は阪神で悲願の連覇に向かう時間だ。
同時にこの試合、活躍したのが、その3人に関係するというか内外野のポジションで、この面々を「スキあらば食ってやろう」という立場にいる選手たちだったことだ。
もっともいいところを見せたのが高寺望夢か。進境著しい最近の様子で「9番右翼」でスタメン。すると1点ビハインドの3回、無死一塁で右翼席へライナーの2ランをたたき込むではないか。一時は逆転とする仕事だった。
4回にいい当たりの中前打を放ったのは中川勇斗だ。フルスイングが持ち味だが回の先頭で打席に立つときはこういう打撃も必要だ。狙ってそうなったかどうかは分からないけれど。
さらにルーキーながら渋さを感じさせる岡城快生である。途中出場で回った8回の初打席で三塁へボテボテの当たりを放ち、快足を飛ばして一塁へ生きた。新人だが、もうプロで何年もやっているような雰囲気も醸し出す選手だ。
いずれも未来のレギュラーを狙う存在だろう。オープン戦で躍動するのは虎党にとってうれしいことだ。そんな中、少しだけ「う~ん」と思ったのが、これも若い嶋村麟士朗だ。先日、育成から支配下登録され、この日、初めて2桁背番号「85」で坂本に代わり、途中出場した。球児が次世代の正捕手として期待する存在だろう。
しかし6回の守備、2死三塁のところで及川雅貴のワンバウンドした変化球を止められず、同点に。終わってみれば勝敗に響いたバッテリーミスだったかもしれない。記録は「暴投」だが厳しく言わせてもらえれば、阪神の他の捕手なら止められたのでは? と思わせる球だった気もする。嶋村は「捕逸」もオープン戦ワーストの「2」だ。これからの若者にそんなことを指摘してもな…とも思うけれど、捕手として試合を任せてもらうなら重要な点だろう。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




