2年ぶりの聖地を狙う白樺学園は、エース左腕牧野が投打で活躍、力強く決勝に進んだ。「腕が軽くて不安定だった」という初回は連打を浴びて2失点。2回からリリースポイントを前に修正することを意識すると、3者連続三振とリズムに乗った。終わってみれば128球、5安打2失点で完投。「テンポ良く投げられました」と笑顔を見せた。打撃では、4-2の7回2死二、三塁から中越えの2点適時三塁打で試合を決めた。

 帽子のつばには「恩返し」「強気」「想い」という3つの言葉が書かれている。1年の時は「気持ちが弱かった」と内角には投げられなかった。この日は右打者の懐に直球をビシビシ投げ込み、成長した姿を見せた。戸出直樹監督(41)は「2回以降はさすが牧野、という投球だった」と勝因を挙げた。

 初戦で昨夏の優勝校クラークを破り勢いに乗った。「(相手チームが)泣いてる姿を見てきた。いろんな人の思いも背負いたい」。6月に腰痛を発症して地区予選は欠場。家族や仲間に支えてもらった気持ちを忘れないエースは、決勝のマウンドでも力いっぱい腕を振る。【西塚祐司】