高校通算218発の最強クリーンアップが、一致団結して世界一を目指す。第28回U18(18歳以下)W杯(9月1日開幕、カナダ)に出場する高校日本代表が27日、大会前の最終戦となる城西国際大との練習試合に臨んだ。3番広陵(広島)中村奨成捕手(3年)、4番早実(西東京)清宮幸太郎内野手(3年)、5番履正社(大阪)安田尚憲内野手(3年)が初めてクリーンアップを結成。中村、清宮は無安打に終わるなどノーアーチだったものの、安田が2安打1打点をマークした。

 試合前のスタメン表を見ただけで、高校野球ファンならずともテンションは上がるに違いない。3番に甲子園6本塁打の中村、4番DH清宮、5番は安田。高校球界を代表する218発トリオが初のクリーンアップを組んだ。

 7球団13人のスカウトが集まる中、1回1死二塁から中村、清宮が連続四球を選び、安田が先制の中前適時打を放った。幸先いいスタート…だったが、その後はつながらない。中村は3打数無安打、清宮も「DHはやりにくいです」とリズムに乗れず、実戦3試合目で初のノーアーチに終わってしまった。

 それでも、下を向かないのが主将の清宮だ。「頼もしいです。自分は打ってないですけど、安田がしっかり打ってくれた。3人でクリーンアップ。3人で1つ。3人で1つになってやっていきたい」と言った。

 米国、キューバ、オランダと同組に入った本大会に向けて、課題も出てきた。清宮は6回1死からの第3打席で3球三振に倒れた。城西国際大・土肥康佑投手(4年=川之江)の低めのフォークに、1ストライクから2球連続で空振り。「いい球でした。さすが大学生」と脱帽。対戦国の実力は未知数だが、今春のWBCで侍ジャパンが苦しんだ外国人特有の「動くボール」への対応が求められるシーンがあるかもしれない。

 2安打の5番安田は、手元で微妙に変化するボールに対して「引き付けて、逆方向を意識する。チームとして共有しています」と対応策を練っている。試合後は3人とも室内練習場でみっちりと打ち込み、汗を流した。宿舎では清宮と安田が同部屋で「キヨ」「ヤスダ」と呼び合う。テレビを見たり、彼女がいるかどうかの話などで盛り上がるといい、チームワークは日に日に深まっている。確かな手応えに、課題も感じた3試合を終え、今日28日にカナダに出発。「ショウセイ」「キヨ」「ヤスダ」のトリオで、世界一を取りにいく。【前田祐輔】

 <関係者のコメント>

 ▼小枝守監督(初のクリーンアップに)「軸に集めた方が上と下のつながりがスムーズになると思って試した。(DH清宮は)本人とも話をしないといけない。守りのリズムをバッティングにつなげるのか、DHでバッティングに集中するのか」。

 ▼城西国際大・土肥(1回途中から登板し、クリーンアップを無安打に)「(清宮は)スイングスピードが速い。(三振のフォークは)低めに投げれば空振りしてくれると思った」。