変則投手に注目! 科学技術(静岡)は春季大会で7年ぶりに県大会に出場し、初勝利を飾った。三塁手兼投手で右腕の岡本拓真(3年)は、希少になってきたアンダースロー。右腕の永井滉也(3年)は、サイドスローに転向してエース奪回を目指している。

 科学技術のブルペンでは、アンダースローの岡本と、サイドスローの永井が、並んでキレのあるボールを投げ込んでいる。

 岡本 夏は緊張すると思いますが、周りと声を掛け合っていつも通りの投球ができればと思います。

 永井 サイドにして変化球が曲がるようになりました。球速もキレも上げて、エースになりたいです。

 もともと上手投げだった岡本は、最速120キロ前後の直球が通用せずに、腕の位置を下げた。まずは横手投げにしたが安定せず、「数も少ないし、どうせやるなら」と、2年春から下手投げに挑戦した。参考にしたのは、「史上最高のサブマリン」こと元阪急山田久志氏(69)の映像だった。「足の上げ下げなどを参考にしています」。

 昨秋の新チーム発足時はエースだった永井は、スリークオーターからの制球が安定せず、今春は、小栗宗也投手(3年)にエースの座を奪われた。4月から指揮を執る森田重成監督(49)の助言で、同月下旬にサイドに転向。永井は「コントロールがいい感じになりました」と自信を深めた。

 そんな変則投法コンビは、小学時代からのチームメートで、「一番気持ちの分かる相手ですが、野球では負けたくないです」と声をそろえる。春県16強の科学技術。夏も面白い存在になりそうだ。【鈴木正章】

 ◆岡本拓真(おかもと・たくま)2000年(平12)9月7日、静岡市生まれ。川原小2年から長田南マリーンズで野球を始める。長田南中では3番捕手。170センチ、72キロ。右投げ右打ち。血液型O。1学年上の兄竜弥さんは、同校OBで昨夏のエース。

 ◆永井滉也(ながい・こうや)2000年(平12)10月18日、静岡市生まれ。長田東小1年から長田南マリーンズで野球を始める。長田南中では4番遊撃手。175センチ、73キロ。右投げ右打ち。血液型AB。1学年下の妹千瑛莉さんは、同校のチアリーダー。