第100回全国高校野球選手権・新潟大会が今日7日に開幕する。一昨年秋から県内公式戦30連勝中で、2年連続10回目の優勝を狙う王者・日本文理のキーマンは1年生の長谷川優也遊撃手だ。春季県大会では三塁手、春季北信越大会では遊撃手と入学直後から定位置を獲得。打撃では春は県、北信越を通して打席に立った7試合で9打点をマークする勝負強さを発揮した。昨年、U15日本代表にも選ばれた逸材。“仕事師”ぶりを発揮して連覇に貢献する。

 着実に力をつけながら、長谷川は初めての夏の大会に臨む。「背番号をもらえてうれしい。ベンチに入れない先輩たちのためにも頑張る」。背番号は春の「5」から「6」になった。鈴木崇監督(37)は「横の動きを見て、遊撃の方が向いていると感じた」と北信越大会からコンバートを決めた。長谷川も「違和感はない。むしろ三塁より守りやすい」と実戦を通してじっくり準備をしてきた。

 守備以上に信頼されているのが打撃だ。春は県、北信越の8試合に出場(1試合は途中出場で守備のみ)し、23打数7安打で9打点を挙げた。県大会決勝の関根学園戦では、5回表に中越え2点二塁打を放ってチームを乗せた。打順は6番以下を任されているが、それも鈴木監督の「中軸を打つ力はあるが、伸び伸び打てるように」という狙いからだ。

 チャンスでは萎縮せず、気負いもない。「走者がいるときは、まず内野の飛球だけは避けようと思っている」。勝負強さの土台にあるのは冷静さ。昨秋のU15アジア選手権では内野手として全5試合中4試合でスタメン出場。大舞台でも主力になった。「お客さんがたくさんいる中で試合ができた。いい緊張感があった」。そのメンタルは高校最初の甲子園をかけた戦いでも武器になる。

 「わくわくする。不安は感じない」。高校入学後、県内では負け知らず。それでも過信はない。「自分がやるべきことをやって、チームに貢献したい」。秘めた自信を試合で形にする。【斎藤慎一郎】

 ◆長谷川優也(はせがわ・ゆうや)2002年(平14)8月6日生まれ、新潟市出身。大野小1年のときに黒埼ヤンキースで野球を始める。黒埼中では主に投手で3年の春季県大会に優勝。内野手でU15日本代表に選出され、U15アジア選手権に出場した。好きなプロ野球選手は巨人坂本勇人内野手。175センチ、72キロ。右投げ右打ち。