新潟南が加茂暁星に3-2で逆転勝ちし、21年ぶりの北信越大会出場(秋は3度目)を決めた。エースで4番の清水響介投手(2年)が7安打2失点で完投。打っても0-1の6回表2死満塁で、中前に逆転の2点打を放った。準決勝は22日、ハードオフ新潟で行われる。

最後の打者を遊飛に打ち取ると、清水は笑顔でマウンドを降りた。強打者ぞろいの加茂暁星を2点に抑えた。「制球力も球威もあった」という直球の最速は自己最速タイの136キロをマーク。「今まで以上に球が走っていた」。被安打2、10奪三振で5-0で完封した1回戦・長岡戦よりも好感触だった。

長岡戦から中3日。この間、コンディション調整に努めた。1日目はノースローで、あとの2日はブルペンに入らず遠投で調整。完全に疲労を取り去ってこの日のマウンドに立った。

投球で作ったリズムは打撃にプラスをもたらした。5回裏に2安打と犠飛で1点先制を許した。だが、直後の6回表の攻撃。「みんなが自分に回してくれた。絶対に自分がかえして、自分自身を楽にしようと思った」。2死満塁の打席で加茂暁星のエース白勢悠貴(2年)のスライダーを中前へはじき返す。チーム初安打が2点適時打。エースのプライドと4番の意地。自らが与えた失点をバットで取り返した。

長島史明監督(44)は試合前、「ロースコアに持ち込んで、前半で0-3だったら分からないぞ」とナインに話していた。3点ビハインドならOK。それが清水の気持ちを楽にしていた。心身ともにリラックスした状態でいられたことが投打の活躍につながり、21年ぶりに手にした北信越の出場権。「北信越でも自分たちの野球をしたい」と清水。大黒柱の好投好打が、その基盤になる。【斎藤慎一郎】