荒砥が9人野球で22年ぶり3度目の初戦突破を目指す。昨年秋に部員が8人になり、今春は米沢東と合同チームを組んで戦った。

だが、これまで夏の大会を単独チームで戦い続けてきた伝統を背負う選手たちは「自分たちの代で崩したくない」と継承を再確認。陸上部の助っ人1年生1人を選手登録してチーム通算40度目の「夏」に挑む。現在、2年生部員は2人だけで部存続も危ぶまれる。初戦で山形工との対戦が決まった渋谷祐士主将(3年)は「相手がどこでも心の準備はして来ました。最後になるかもしれないので地域(白鷹町)の代表として自覚を持って臨みたい」と気を引き締めた。

先頭打者で捕手の渋谷主将が攻守の要になる。女房役としてエース紺野拓海(3年)と外野手兼任の菅野拓海(2年)の「拓海・左腕コンビ」をリード。「最少失点に抑え、1番打者として球筋を教え、みんなのモチベーションを高めたい」とチームを引っ張る。

昨夏からのレギュラー7人が残り、うち6人が白鷹中出身。渋谷主将は「何でも話せて連係が取りやすい。人数が少ない分、1人1人、濃い練習ができる」と前向きだ。同校は1978年(昭53)に夏初出場。途中2年間の空白を経て91年(平3)に再創部され、翌92年に夏初勝利を挙げた。昨年まで夏通算2勝39敗。97年に初戦突破後、夏の勝利からは遠ざかっている。山形工との夏対決は96年以来2度目。渋谷主将は「まず1勝。少しでも長くプレーしたい」と持てる力を出し尽くす。【佐々木雄高】