昨年10月に就任した東大阪大柏原の土井健大監督(30)が指揮官として夏の大会初勝利を挙げた。かつて履正社(大阪)で活躍して06年高校生ドラフト5巡目でオリックスに入団。巨人に移籍した後、社会人野球、軟式野球でもプレーした。異色の経歴を持つ若き指揮官だが、培ってきた野球感はだてじゃない。

0-0の3回、先発の近藤一輝投手(3年)が信太の1番森下尋斗外野手(3年)に無死から右中間を破る二塁打を浴び、その後2死三塁とされて、継投に踏み切った。マウンドを譲り受けたエース藤末流魁(るかい)投手(3年)が中飛でピンチをしのぎ、そのまま完封リレーを決めた。

土井監督は「どうしても先制点を献上したくなかった。藤末が期待に応えてくれた」とエースをたたえ、次戦に向けて「夏の独特の雰囲気は、今までできていたことをできなくさせる。その中でどれだけ迷いを捨てて準備できるかが大事」とどっしり構えた。かつて高校野球ファンを魅了した「浪速のスラッガー」が指導者として高校野球の舞台にかえってきた。【山崎健太】