屈指の進学校、湘南が春季関東王者に善戦した。

変則フォームのエース今井宏太投手(3年)から、右横手の大川裕太郎投手(3年)へのリレーで、強打の東海大相模に長打を許さなかった。

5回を投げて9安打4失点の今井は、大会直前に左足の薬指を骨折。4回戦の完封など、ここまで大川がエースの穴をカバーしてくれた。満を持しての先発に「みんながここまで勝ち上がって自分につないでくれた。『戻ってこいよ』と言ってくれて。その恩返しをしたかった」。1番から9番まで気が抜けない、全国でもトップクラスの強力打線を「怖い」と評したが、コールドを阻止して9回まで戦った。

「ケガで迷惑を掛けたんですけど、チームメートのおかげでここまで来られた。感謝です」。笑顔で高校野球に終止符を打ち、今度は医学部を目指して受験勉強に打ち込む。