東海地区からは近大高専が選ばれた。今秋の三重大会を制し、初めて秋の東海大会に出場。加藤学園(静岡)に延長10回、4-5と競り負けて初戦敗退したが、21世紀枠候補となった。

学業も忙しい。テストも60点以下が「赤点」で補習、追試などを受ける。授業も実験などがあり、重阪俊秀監督(37)は「正直、毎週金曜日しか選手はそろわない」という。その中でも守備の連係プレーの練習時間を増やし、一歩先を考える力をつけてきた。

持ち味は豪快な打撃のチーム。背番号「8」の投打の柱、白石晃大外野手(2年)は1年夏からレギュラーでチームを引っ張る。「高専で初の甲子園出場というのも、ここに来た理由のひとつ」と目標前進に目を輝かせた。部員たちはボランティアサークルにも加入し、地域活動に熱心な部分も推薦された理由のひとつ。新しい歴史をつくるべく、冬も不断の鍛錬を重ねる。

◆高専 高等専門学校は中学の卒業生を受け入れ、5年間の一貫教育で技術者を育成する。多くの高専には5年間の本科の後に、2年間の専門教育を行う専攻科がある。また、本科の後に、ほかの大学3年に編入することもできる。全国に57校あり、内訳は国立51、公立3、私立3。高校野球として活動できるのは1年生からの3年間。