新型コロナウイルス感染拡大により中止された今春のセンバツに出場予定だった32校を招いて行われる甲子園高校野球交流試合が、10日に開幕(10~12日、15~17日の計6日間)する。初日に登場する明徳義塾(高知)・馬淵史郎監督(64)は、特別な夏の特別な甲子園を前に、指導者としての強い決意を明かした。

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甲子園通算51勝を数える明徳義塾の馬淵監督は強い決意を持って、交流試合に臨む。

「今回の甲子園は、ウィズコロナの時代にどうやって大会をやるかという指針になると思う。来年のセンバツ、夏に向けてのモデルになる。最大限の注意を払ってやるしかない」。チームはこの日、例年通りバスで大阪市内の宿舎入り。食事はバイキング形式ではなく、個別で用意。選手全員に個室を割り当てた。現地で練習はせず、外部との接触を極力避けた。

2日に終了した高知県独自大会は高知に敗れ、準優勝。指導者たちはチーム作りに加え、感染予防に苦心している。「ハードに練習して、熱中症の症状が出たとする。これまでなら、水分補給や休養して様子を見たが、今は『待てよ。病院で確認しよう』となる。熱や吐き気などコロナと共通点がある時がある」。

大会初日の第2試合で鳥取城北と対戦する。「1度はあきらめた甲子園。感謝の気持ちをもって戦いたい。世の中がコロナで暗いが、テレビを通して観戦した人に、夢と希望を与えられるようなゲームになったら最高。1回戦を勝ち抜く気持ちでお互い一生懸命やることで感動する人もいれば、素晴らしいと言ってくれる人もいる。いいかげんにはやりたくない」と力を込めた。【田口真一郎】