細田学園が、花咲徳栄を破って初の4強入りを決めた。

先発した背番号18の飯吉陽来投手(はるく=2年)が、8回0/3を投げて4安打2失点と好投。最速115キロの右腕だが、直球と球速差のないカーブや、縦に落ちるスライダーを武器に立ち向かい、奪三振0で打ち取り続けた。

「試合をやる前は本当に怖くて。仲間が声をかけてくれて力になった。でき過ぎですよね」と照れくさそうに笑った。

小、中学生の頃は毎年夏の大会で花咲徳栄の試合を球場で観戦していた。憧れた存在を撃破し「対戦できて、勝てたのはすごく光栄です」と喜んだ。

エースの松本悠希投手(2年)ではなく、飯吉を先発で起用。丸山桂之介監督(68)は「松本は130キロ後半は投げるが、前の試合で197球投げたし、飯吉の方が(相手打線が)合わないかなと思った」と理由を説明。思惑通りに相手打線を封じた。9回には1点を返され、なお無死一、二塁のピンチで飯吉から松本にスイッチ。技巧派から本格派に代え、1点を守りきった。

チームは14年に創部。今秋初めて県大会に勝利した勢いのまま、4強まで進んだ。あと1勝で関東大会進出が決まる。躍進の要因について、指揮官は「分からないですね。高校生の秘めた力を感じる。ここまで来られたのは驚きです」と奮起した選手たちをたたえた。【湯本勝大】