高校野球秋季神奈川大会は準決勝が行われ、慶応が日大藤沢を7-6で下し、5年ぶりの秋季関東大会出場を決めた。西武、巨人、オリックスで活躍し、通算525本塁打を放った清原和博氏(55)がバックネット裏で観戦する中、次男の勝児内野手(1年)が「7番三塁」で先発出場。4試合連続安打となる4打数2安打の活躍で勝利に貢献した。決勝は27日、今夏甲子園出場の横浜と対戦する。

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尊敬する父が熱視線を送る中、清原は躍動した。2安打を放って勝利に貢献し「父は『俺のことを気にせず、やりたいことをやれ』と。その通りに出来ました」と笑顔をみせた。

プロ通算525本塁打を誇る父のDNAを感じさせる一面があった。5-0とリードで迎えた5回2死二塁。初球を捉えると、打球は左翼ポール際へライナー性で一直線に飛んでいった。本人も「行ってくれ」と願いを込めた白球だったが、わずかにポール左のファウルゾーンへそれた。1発とはならなかったが、「背番号5」の清原が放った打球に、観客はどよめきをみせた。

現状にはまだまだ満足していない。高校入学後、初めて公式戦を観戦してくれた父への思いを問われると「もっと打ちたかった。これからもっと活躍するので、見守って欲しい」と真っすぐな目で答えた。それでも、目標の甲子園優勝の達成へ大きな1歩を踏み出した。聖地への思いは強く「お父さんがあれだけ活躍している場所。自分も続いて、超えられるようにしたい」。2度の優勝、不動の記録である通算13本塁打と父も輝いた甲子園へ-。そのためにも神奈川決勝で今夏甲子園出場の横浜と、関東大会で待つ強豪撃破に挑む【阿部泰斉】