巨人杉内俊哉投手が7回無失点の力投で3勝目を飾り、チームを首位タイに押し上げた。

 奪三振ショーだった。2回に2死一、二塁と得点圏に走者を背負ったが、低めのスライダーで8番桂を三塁ゴロに仕留め、波に乗った。

 ピンチらしいピンチはこの回だけ。3回まで奪三振数は2個だったが、4回からギアをトップに入れ直した。終わってみれば7回の降板まで、2回を除く毎回の9奪三振だ。

 中日のクリーンアップ3人に対し、9打数1安打5奪三振。相手の得点源を断ち切った。「真っすぐがすごくよかった。なるべく先制点を与えないようにと思ってマウンドに上がった。(中日の)大野君もいい投手なので負けないようにと思って投げた」。

 直球がキレるから変化球も生きる。初回の中日先頭大島にはワンバウンドのスライダーで空振り三振。この日の“キレ味”を象徴するシーンだった。

 無傷の3連勝にシャイな杉内の顔も自然とほころぶ。「負けなしの3連勝? ラッキーな部分も多いけど、今日はいい投球ができた」。05年に18勝で沢村賞を獲得したサウスポーが、竜退治でチームを首位タイに浮上させた。