パワー自慢のスラッガーが、巨人の連敗を5で止めた。日本ハム3回戦で、この日に1軍昇格した堂上剛裕外野手(30)が、8回に決勝の2点適時二塁打を放つなど4安打4打点と大暴れした。力強い救世主の出現で、5連敗中は平均2得点だった打線も、15安打8得点と復調の兆しを見せた。2位DeNAは逆転負けを喫し、ゲーム差は1・5に広がった。
思い切り踏み込んで、迷わず振り抜いた。同点の8回1死一、二塁。堂上は日本ハムの左腕宮西のスライダーを、腰を引かずに食らいついた。打球は右中間を抜け、2者が生還した。4安打4打点で、連敗ストップに貢献。「あれこれ考えず、シンプルに投手と勝負するという気持ちで打席に入りました。自分でもびっくりしてます」と喜んだ。
豪快なスイングは、チームでも群を抜く。中学時代から、スイング後にバットを高く放り投げるのがこだわり。「一番の売りは豪快さ。オレから力がなくなったら、オレじゃなくなる」と全神経をフルスイングに注ぐ。5月のある試合で、振った後に「立ちくらみです」と三塁側によろめき、村田総合コーチから「打ったら一塁に走る! バットは投げない!」と、冗談交じりに注意された。それでもスタイルは変えなかった。加えて、内田2軍打撃コーチから「当たれば自然に飛ぶから」と力まずに構えるように助言された。堂上は「いい感じで振れている」と柔らかさも備えて約3週間ぶりに1軍に戻ってきていた。
この日は4度も、バットを豪快に投げ飛ばした。3回に4試合ぶりの適時打を放つと、4回には同点打。6回には中堅フェンス直撃の三塁打で、移籍後初の猛打賞を決めた。初回に左中間への飛球を深追いしすぎて先制打にした守備のミスを打撃で取り戻した。
堂上の豪打が、沈黙していた打線に火を付けた。原監督も「大きいですね」と声のトーンを上げた。それでも堂上は「明日の1試合、全てを出し切る気持ちで頑張ります」と表情を引き締めた。常に全力。頼もしいパワーヒッターが、帰ってきた。【浜本卓也】
▼堂上の1試合4安打以上は中日時代の07年7月31日広島戦で4打数4安打を放って以来、8年ぶり2度目。1試合4打点は過去4度あった3打点を上回りプロ入り最多となった。4回に同点打、8回に勝ち越し打。1試合に2本の殊勲安打はプロ入り初めてだ。



