安藤、トロワ~と抑えて3タテ阻止だ。阪神は2番手安藤優也投手(37)が6、7回を1四球の無安打無失点にしのぎ、競り勝ちを呼んだ。2回を投げたのは今季最長で、8回の勝ち越しを受けて2勝目。延長11回サヨナラ勝ちした9日の中日戦から2戦連続で勝ち投手になった。プロ14年目右腕が1も2も3もなく投のヒーローだ。
絶対に負けられない一戦も劣勢だった。3連勝に押せ押せムードのオレンジ色右翼スタンドが沸く。そんな流れを安藤が右腕1本で沈黙させた。
「何とか3連敗だけは避けたかった。大事な場面で流れをもってこられた」
6回、代打を送られた先発岩田の後を継いだ。巨人3連戦の1、2戦とも、6回にダメ押し点を奪われていた。同点でなくとも、重要な場面。先頭で前の打席に本塁打を放っている5番長野を迎えたが、百戦錬磨の右腕は、驚くほど冷静だった。
「球場が狭いんで徹底的に低めを意識して投げた」 言葉どおり、外角低めボール気味のスライダーで打ち気を誘い、ボテボテの投ゴロに打ち取った。1死で阿部を四球で歩かせても、村田、加藤に徹底した外角低め攻め。つけいる隙を与えなかった。7回もマウンドに上がると代打中井から1、2番を簡単に3者凡退。14年5月13日広島戦以来の2イニング登板で、3三振を奪って宿敵を封じ込めた。
忘れもしない4月19日、甲子園での巨人戦。同点の延長11回にマウンドを託されながらも、2点を失いチームは敗れた。悔しさだけが残った試合のリベンジマッチ。最高の結果で、競り勝ちの勝利投手になった。
今季は開幕から不安定な投球が続いた。6月に入っても防御率は5点台中盤。昨年は7回の男として君臨し続けたが、リードした場面で投げるケースも次第に減っていった。一転、7月に入って失点0。山口投手コーチも「久しぶりの2イニングやったけどよう投げた。やっぱり安藤がおらんとあかん」と存在の大きさをあらためて語った。
「(松田)遼馬がいない分、みんなでカバーしていかないと」
若武者は前日4失点で2軍降格。安藤の言葉には、プロ14年目としての責任感がある。若手投手の台頭も望ましいが、まだまだ老け込むつもりはない。3連敗を免れ、混戦ペナントレースにしがみついた1勝。窮地には、この男の活躍が欠かせない。【梶本長之】



