力投でも今季初の巨人戦勝利に届かなかった。阪神岩田稔投手(31)が、7回6安打1失点の好投も5敗目を喫した。粘りの投球が続きつつも、これで5試合連続勝利なし。巨人戦は今季4戦未勝利で、昨年から4連敗となった。打線の援護がなかった岩田で敗れ、チームは巨人戦10敗目を喫した。

 「う~ん…」という心の声が聞こえてきそうだ。岩田は苦虫をかみつぶしたかのような表情を浮かべた。1回表。1死二塁から3番坂本にしぶとく三遊間を破られ、あっさり先制点を献上した。甘く入ったボールではない。痛打されたわけでもない。それでもタイムリーはタイムリー。なんともやり切れなかった。

 「運がなかったかな…」

 嫌な予感がした。初回、1番立岡の当たり損ねたゴロが三塁内野安打となる。犠打で1死二塁とされ、3番坂本を迎えていた。2ボール2ストライクからの5球目。外角低めに沈ませたフォークに、食らいつかれた。強引にバットでボールを巻き込まれ、決して強くはないゴロがはかったかのように三遊間の真ん中を逃げていった。終わってみれば、この1失点だけ。今季5敗目は悔しさと収穫が混ざり合っていた。

 「フォアボールがなかったし、自分のピッチングはしっかりできたかなと思います」

 3回1死二塁、6回2死三塁のピンチも無失点で粘った。7回を92球でまとめ、6安打1失点。四死球ゼロは今季17登板目で初の数字だ。ここ3戦は7回1失点、中4日登板での5回1失点、7回1失点。それでも勝ち星はつかない。6月16日の日本ハム戦で5勝目を挙げて以来、白星から遠ざかっている。相手投手との兼ね合い、打線の援護は自らの力で動かすことはできない。1失点したのは事実。この1失点を反省し、糧にする。

 「しっかり自分の仕事を続けるしかないですから」

 今季4試合目の巨人戦登板も勝利につながらなかったが、試合後は気丈に振る舞い、自身の心にムチを打った。前日19日には母校大阪桐蔭が大阪大会初戦で強豪履正社と対戦し、エース田中誠也投手(3年)が1失点完投勝利を収めた。左腕の大先輩として、今後も後輩に負けじと粘りを見せ続けるだけだ。次回は中5日で26日DeNA戦に向かう予定。黙々とゼロを並べ続ける。その先にトンネルの出口がある。【佐井陽介】

 ▼岩田は今季の巨人戦で4試合に先発し、0勝3敗。対戦防御率は4・98で、他カードの2・66から2点以上も悪化する。プロ通算でも8勝15敗と、相性の悪さは改善されていない。