また虎を狩った! 広島前田健太投手(27)が7回6安打1失点でハーラートップタイの11勝目をマークした。1回に打者3人で1点先制を許すが、以降は調子を上げる一方。マエケンの快投が新井の本盗や菊池の決勝打、エルドレッドの3ランを呼び込んだ。首位阪神とは3・5ゲーム差。あと2回予定されている阪神戦も頼むぞ。

 ゼリーは素早くエネルギーに、軽い消化はキレにつながり、粘れた。広島前田が前回8月27日阪神戦(マツダスタジアム)に編み出した「おにぎりレス調整法」が、また虎退治に役立った。1回に先頭鳥谷に二塁打を打たれた後、「シュートして真ん中に入った」と犠打と犠飛で1点を先制されたが、以降は粘った。7回1失点、121球で逆転勝利を呼び込んだ。

 「状態自体は良くないから、こういう投球になる。(球数を)投げすぎですね。でも悪くても勝たないといけない。チームが勝てたことがうれしいです」

 試合前にとるその日2回目の食事。以前はゼリーに加え、バナナ、おにぎりなどを食べていた。試合中の空腹を避けるため、消化のいいものに限り「量は結構食べる方です」。だが立ち上がりに体のキレがないことが気になっていたという。「回を追うごとにキレてくる感じだったので」。そこで前回の阪神戦でおにぎりをやめた。すると体がキレる。水分をしっかりとり、空腹感も問題なかった。今回は軽い体が、さらに粘らせてくれた。

 昨季は8月、9月で1勝ずつに終わり、チームを導けなかった。「大事なところで勝てなくて、悔しい思いをした」。悪くても勝つ。それが今季の前田だ。味方の得点後の4回、勝ち越し後の5回をいずれも3者凡退に締めた。4回は4番から始まる打線を抑え、5回は下位打線を3者連続三振に仕留めた。「裏は完璧に抑えたいと思っていた」。勝つツボを抑えていた。

 前田のハーラートップタイの11勝目で、首位阪神とは3・5ゲーム差までつめた。緒方監督も「さすがエースという投球だった」と絶賛。前田は残り2試合、阪神と対戦する可能性が高く、白星は好材料だ。白星スタートの9月はコイが主役となる。【池本泰尚】