ソフトバンクがマジック1で戻った本拠地で、西武を下しパ・リーグ連覇を決めた。パ・リーグ17度目、1リーグ時代も含めると19度目のリーグ優勝。
9回、左翼の守備位置で内川聖一外野手(33)は泣いていた。キャプテン、そして4番。2つの大役を任されてきた。胸に去来する苦悩の日々…。すべては、この瞬間を迎えるためだった。この日も初回に先制の中前適時打を放ち、打線に号令をかけた。
「まだ終わってなかったので我慢しなきゃいけないと思ったけど…。シーズン中、いろんなことを考え、感じ、でも最後までやり通せた安心感もあった」
工藤監督からキャプテンに指名され、開幕から4番に座り続けた。だが、長い間調子が上がらず、打率も3割を切った。今季はナイター後、眠りに就くのはいつも深夜2時を回っていた。「寝たくてもすぐには寝られない」。責任感が強いからこそ、結果が出ない現実に悩み続けた。それでも指揮官から「お前のチームだと思って、やりたいようにやってくれ」と言われ、吹っ切れた。
凡打でベンチに戻っても、明るく声を出し続けた。後輩たちが「あんな内川さんを見たのは今年が初めて」と驚いたほど。苦しみを胸にしまい込み、キャプテンとしての役割を貫いた1年。工藤監督も「本当につらいところを彼1人に背負い込んでもらった。4番として苦しい思いをたくさんしてきたが、今日の試合で彼の思いも救われたと思う」と、内川をねぎらった。【福岡吉央】



