日本ハム栗山英樹監督(54)が、クライマックスシリーズ(CS)をにらみ、予行演習を敢行した。ソフトバンクに敗れたが、CSファイナルステージに進出すれば対戦する相手だけに、指揮官は選手の状態などを確認。7回1死一、三塁で代打に送った大谷は右前適時打を放った。先発中村が打ち込まれると6回途中から5投手の継投策で、戦力を見極めた。

 大歓声が鼓膜を振るわせた。大谷は再戦へ向け、王者に爪痕を残した。7回1死一、三塁の好機に代打で出場。2球で追い込まれながら、ソフトバンク・スタンリッジのスライダーを右前へライナーではじき返した。「振った(空振りした)のよりは甘く来ました。ラッキーでした。追加点が欲しかったので、後につなげられたことは良かったと思います」。打点を挙げるのは8月13日西武戦以来。試合には敗れたが、この日一番の盛り上がりを演出した。

 登板することが濃厚な第1Sを突破すれば、ソフトバンクと対決するファイナルSの序盤は野手で出場することになる。スタンリッジも対戦の可能性が高い。“予行演習”としては期待が持てる内容を残し、栗山監督も「打撃練習から意識が変わっている」と評価した。

 指揮官は緻密な計算のもとにCSへ準備を進めている。攻撃面での大谷の起用、重盗、エンドランなどの采配だけでなく、守りでは6回途中から石井、須永、ライブリー、屋宜、金平をマウンドに送った。限られた枠を争うアピールの場。「中身を精査しながら、次につながるようにやっていきます」。各投手の状態、打者との相性などを確認し、ポストシーズンを見据えている。

 大谷はこの日の安打で、代打成績19打数7安打、打率3割6分8厘まで上昇した。DHに近藤がいる以上、打者での先発出場は難しい状況だが、同監督は「悩ましいです」。4冠を射程圏にとらえる投手に加え、「打者・大谷」の存在感も高まってきた。【本間翼】