仙台大は東北学院大に逆転サヨナラ勝ちし、チーム初の春秋連覇まで残り2勝(勝ち点1)とした。1点を追う9回裏無死満塁、3番松本桃太郎内野手(3年=北海)の右前2点適時打で、優勝戦線生き残りをかけた総力戦を制した。仙台大は10月10日からの最終節で、現在全勝を続ける東北福祉大と対戦する。

 決めるべき男が決めた。9回無死満塁、カウント1ボール2ストライク。4球目を右前にはじき返した仙台大の松本は「打ったのはフォーク。追い込まれていたので三振しないようにコンパクトに打てた」と喜びのタッチを交わし合った。

 1年秋に打撃タイトルを総なめにしてMVPも獲得した。昨春も打撃2冠。以後タイトルから遠ざかっているが、森本吉謙監督(41)は「最後はノーサイン。最悪でも同点になると思っていた。千両役者、桃劇場ですよ」と絶大な信頼を寄せる。

 この日は3安打3打点の固め打ち。今秋の通算打率を2位と1厘差の4割5分7厘とし、打点も首位と1点差の9打点とした。だが1年春から6季連続になる本塁打が、まだ出ていない。松本は「長打を打ちたい気持ちはある」と本音を隠さない。相手のマークは厳しくなるが、この日は森本監督から「欲を出して打ち急ぐな。ジャストミートすればヒットになる」と助言され、気が楽になった。

 自らのバットで第1関門のAクラス対決を制した。最終節で東北福祉大から勝ち点を奪えば、チーム初の春秋連覇が決まる。リーグ史上4人目になる通算100安打もあと12本。過去最速ペースの松本は「まず優勝することだけを考えています。最低でも120本は打ちたい」とリーグ記録(114本)更新も目標に掲げた。【佐々木雄高】