野球界に大きな影を落とした巨人選手による野球賭博問題。この問題を調査する日本野球機構(NPB)の調査委員会は、10月21日の中間報告会見で「1カ月以内には最終報告をしたい」(大鶴基成委員長)との方針を示した。1カ月後にあたる11月21日は、初開催の国際大会「プレミア12」の決勝戦当日。日本代表が初代王座を目指す戦いと並行して、野球賭博に関与した選手への処分案も含めた調査が進んでいく。

 侍ジャパン事業を推進するNPBエンタープライズの今村社長は常々、野球日本代表のブランド力向上を課題に挙げる。「侍ジャパンのメンバーに入ることが、プロ野球選手だけでなく、野球をやっている人みんなの目標にならなきゃいけない。侍ジャパンのユニホームをあこがれの存在にしたい」。

 野球賭博による野球ファンの失望感を払拭(ふっしょく)するのは容易ではない。信頼を回復していくには徹底究明、再発防止と同時に、再び野球の魅力を積み上げていくしかない。世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が、最高位の野球国際大会と位置付けるプレミア12は、そのための大切な舞台になる。子どもたちがユニホームにあこがれを抱くような戦いとプレーを、侍ジャパンに期待したい。【佐竹実】