かつてのスター集団・中日で、1億円プレーヤーが“激減”だ。7日、主力組の契約更改がスタートし、浅尾拓也投手(31)が6年ぶりに1億円割れの9800万円、荒木雅博内野手(38)が同じく10年ぶりに大台を下回る8800万円と、ともに2200万円減でサインした。

 日本一に輝いた11年には外国人を含めて11人もいた1億円プレーヤー。現在、未更改も含めてトップは岩瀬の3億円だが、今季登板なしで1億円を下回る大減俸が予想される。1億440万円の吉見もボーダーラインの攻防になりそう。大台キープが確実なのは複数年契約の山井(1億2000万円)と、1億7500万円の森野の2人くらいだ。

 上がり幅が大きそうなのは大野、平田の投打の主力だが、1億円には届かない見通し。今季10勝を挙げてブレークした若松も到底無理だ。今季、名球会選手が4人も引退したように、中日の世代交代は年俸面でもくっきりと出る。

 選手にとっては燃える材料になる。今季、復活への足がかりをつかんだ浅尾は「全然やれていないので下がって当たり前。いろいろ加味してここで止めてくれているので感謝しています。やっぱり優勝したい。今年はCSにも出られず、何をやってんだと寂しく思った」と力を込めた。

 年齢や肩肘の状態を踏まえて先発転向プランもあった浅尾だが、来季も中継ぎで勝負する。「まだチャンスはあるかなと。自分が一番結果を出してきたのは中継ぎ。まだ負けたくない」。黄金時代を支えたセットアッパーはもう1度底力を見せるつもりだ。【柏原誠】

 ◆中日年俸メモ 11年は山本昌、岩瀬、吉見、浅尾、谷繁、和田、井端、荒木、森野の日本人9人にブランコとチェンの計11人が1億円を超えていた。そのうち今季も中日で1億円を超えていたのは岩瀬、吉見、浅尾、和田、荒木、森野の6人に山井を加えた7人。ここまで和田が引退し、浅尾、荒木が1億円割れ。山井は複数年契約のため1億2000万円が確定とみられ、残る岩瀬、吉見、森野の契約が注目される。