てっぺんを奪い取る。楽天の新人合同自主トレが11日、コボスタ宮城の室内練習場で始まった。ドラフト2位の吉持亮汰内野手(22=大商大)は50メートル5秒68、遠投125メートルと抜群の身体能力で視察に訪れた梨田監督ら首脳陣にアピール。1軍キャンプスタートを勝ち取り、申(さる)年に愛称の「サル」を浸透させたいと意気込んだ。他8選手も緊張の初日をケガなく無事に終えた。
ウッキウキーの笑顔だった。新人合同自主トレ初日を終えた吉持の表情に手応えがにじんだ。梨田監督を筆頭に1軍、2軍の首脳陣が集結。新人がどのようなプレーをするのか、一挙手一投足が注目された。「楽しかったです。肩と足が売りなので、キャッチボールでいい球をアピールできた」と白い歯をこぼしながら振り返った。
見ざるを得なかった。報道陣を含めた多数の観衆の中で本能を解き放った。アップも兼ねるキャッチボールを全力で投げた。ペアを組んだドラフト3位茂木のグラブが「パァン!」とはじける。鋭く矢のように伸びる球筋で目を引いた。「1球ずつ全力で投げるのが持ち味なので」と胸を張る。遠投125メートルの自慢の強肩を見せつけた。
聞かざるを得ない、フォームを見せた。ティー打撃ではグリップエンドから拳2つ分空けた。バットを短く持ち、鋭く振る。独特の打ち方を「ソフトバンク中村さんや元巨人の大道さんを参考にした。短く持っても強く打てるんです」と説明。ミート力とパンチ力を併せ持つため、大学4年の春から取り組んだ。独自の進化で快音を響かせた。
言わざるを得ないほど、あだ名を愛している。野性的な動きで星野副会長から名付けられたのは「サル」。今年は申(さる)年のため「運が良いと思います」と喜んだ。寮の部屋には親から送られたサルの人形を置き、「ずっとサルで行きたい。みんなに呼ばれたい。これからサルらしい行動を取ろうと思う」と身も心もなりきるつもりだ。
初日の感想を問われた梨田監督は「スピード、キャッチボールを見ていてもすごい物を持ってる」と絶賛した。1軍キャンプスタートの構想に入っているのは確実。サルの愛称を持つ男が、野球界の天下を目指して動きだした。【島根純】



