緩急で成り上がる。4年目の西武誠投手(21)がキャンプ第2クール3日目の8日、シート打撃に登板した。打者20人を相手に5安打4奪三振。最速134キロも落差のあるカーブが光り、「もともと得意で自信のある球。どんどん使っていきたい」と目を輝かせた。

 最多安打男にも緩急が効いた。秋山を104キロカーブで追い込むと、直後の外角低めの132キロ直球で空振り三振。カウント1-1から始まる設定もあり「この時期は打者は調整段階で投手が有利。遅い直球を速く見せるためにより角度をつけていきたい」と、浮かれることなく引き締めた。

 今季から、西武黄金期を支えた渡辺SDの背番号41を背負う。昨年は初のA班(1軍)キャンプ参加も1軍登板はなく、いまだ勝利なし。「去年のキャンプは1軍に残ることに必死で、ガチガチで投げていた。今年は落ち着いてやれています」。見守った渡辺SDも今後に期待を込めながら「思ったよりよかったね。直球をレベルアップすれば、もっとカーブが使えるようになる」と、成長を求めた。

 プロ初勝利ではなく、5勝以上を目標に掲げる誠。「この先も41はすごい番号にしていきたい」と誓い、開幕ローテ入りを狙う。【佐竹実】