「ナックル・フォーク」がベールを脱いだ。西武の新外国人アンディ・バンヘッケン投手(36=ネクセン)が16日、紅白戦に先発して2回無安打無失点と好投した。来日初の実戦で直球の最速は137キロ止まりも、初回先頭から連続三振を奪うなど得意のフォークがさえた。昨季まで韓国で4年連続2ケタ勝利した193センチ左腕は「コントロールは思い通りにいかなかったけど、フォークが一番良かったね」と笑顔を見せた。

 異質な軌道は、味方も驚かせた。「今まで勝ってきた球」と自信を持つ武器は直球より約20キロ遅く、ブレながら落ちる。初回1死で迎えた金子侑には、カウント3-0からフォークを多投。最後は高めから落として見逃し三振を奪った。バッテリーを組んだ炭谷は「揺れる感じで、なかなか見ない球。横からだとカーブに見えるかも」。田辺監督も「落差があったね。典型的な先発タイプだし、おもしろい」と高く評価した。

 視察したオリックス川畑スコアラーは「背が高くて緩急を使ってくる。星野伸之さんのようなイメージ」と警戒を強めた。長い腕をしなやかに振る新助っ人は「カーブもあるけど、今日は1球も投げなかったよ」と笑った。米俳優トム・クルーズ似のベテランが、技で先発ローテーションの一角を狙う。【鹿野雄太】