ビシッと一振りで勝負を決めた。2点ビハインドの8回、中日の4番ダヤン・ビシエド外野手(27)が左中間席へライナー性の逆転満塁弾を運んだ。一塁ベース手前で、185センチ、108キロの大男が跳びはねる。リーグトップタイの7号は推定130メートルの衝撃弾だった。「それが野球というもの。昨日はやられたので、今日は僕たちがと。最高のシチュエーションで回してもらった。興奮するところですごくいい仕事ができた。最高の瞬間だったね」と興奮して、まくしたてた。
前日23日は2点リードの9回2死にひっくり返され、逆転負け。連勝も4で止まり、この日もショックを引きずるように試合展開は重かった。ビシエドも3打席目まで全て内野ゴロで凡退。「落ち着いて高めを狙えと言われた」。加藤チーフ打撃兼野手総合コーチのささやきを胸に、絶好のチャンスに主砲が打席に立つ。「逆にすごく落ち着いていた。投手の方が硬くなるんじゃないかな」。ストライクゾーンに入ってきた変化球を見逃さなかった。
オープン戦を含めヤクルト・ルーキとの対戦は2打席2本塁打。ホワイトソックス時代の13年8月21日ロイヤルズ戦以来となるグランドスラムで勝負を決めた。
谷繁監督も「昨日からの流れを最後に一振りで変えてくれた。4番の一振り。いい仕事をしてくれました」とたたえた。暗転の悲劇の24時間後には、歓喜に沸く劇的な展開が待っていた。【宮崎えり子】



