プレーバック日刊スポーツ! 過去の6月17日付紙面を振り返ります。2011年は5面(東京版)で岩瀬の日本新記録を報じています。

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<中日5-2ソフトバンク>◇2011年6月16日◇ナゴヤドーム

 中日岩瀬仁紀投手(36)がプロ野球新記録の287セーブを達成した。ソフトバンク4回戦(ナゴヤドーム)で3点リードの最終回を3者凡退で抑えた。球史に名を残しながら「まだ途中の段階。これから積み重ねていかないといけない」と通過点を強調。前人未到の300セーブまで突き進む覚悟だ。

 スパイクのひもを結び直し、5度、捕手のサインに首を振った。最後に選んだのは宝刀スライダー。2死走者なしから小久保を2ストライクまで追い込むと、133キロスライダーを外角いっぱいに投げ込み空振り三振。本拠地のマウンドでナインの祝福を受けた。 試合後、インタビュールームに現れた守護神は、急きょドームに駆けつけた両親へ感謝の言葉を口にした。

 岩瀬 特別な気持ちじゃなくいつも通りにマウンドに上がった。(王手をかけてから)一発で決めることができてよかった。親に感謝したいと思います。今日は来ていたと思う。

 特別に体が強かったわけではない。誰にも負けない精神力があったわけでもない。そんな守護神を見守ってきた落合監督は素直な気持ちを言葉にした。

 落合監督 あの子をここまでにしたのは、みんなを見返してやりたいという気持ち。これまで積み上げてきたものを一瞬でぼろかすに言われただろ。一番きつかったのは04年と五輪の後だろ。よく立ち直った。

 落合監督が就任した04年に抑えに転向したが、序盤は失敗を繰り返した。08年北京五輪では3敗を喫してメダルを逃した日本代表の戦犯扱い。どん底を味わった男の反骨心が、金字塔を作り上げた。

 岩瀬 04年はなかなか結果が出ずに監督もたたかれた。使い続けてもらったおかげで復調できた。北京五輪は落ち込んで帰ってきた中でうまく起用してもらった。

 今季はキャンプ中盤まで変化球を封印。納得のいく直球を追求してきた。調整を続け開幕直後は130キロ台だった球速も140キロ台まで上昇。変化球のキレも増した。

 岩瀬 ここ数年はブーイングの方が多いけど、今日の歓声は心に響いた。球場全体でいい雰囲気を作ってもらった。

 次の目標は前人未到の300セーブ。日本一のストッパーはセーブを積み重ねる。

 ▼岩瀬がソフトバンク4回戦(ナゴヤドーム)で今季11セーブ目を挙げ、高津(ヤクルト)を抜く通算287セーブのプロ野球新記録をマークした。

 初セーブは99年6月23日の巨人13回戦(ナゴヤドーム)。昨年6月16日に史上3人目の通算250セーブを記録し、ちょうど1年後に通算セーブの新記録を作った。

 セーブは74年から採用され、日本ハム時代の江夏が81年5月6日に初めて通算100セーブに到達。その後は江夏の記録を98年8月5日に佐々木(横浜)が更新、03年4月23日に高津(ヤクルト)が佐々木の記録を抜いてトップに立っていた。

※記録と表記は当時のもの