阪神は3日、平野恵一2軍守備走塁コーチ(37)が1軍打撃コーチに就任すると発表した。今季多かったバント失敗やエンドラン失敗を踏まえ、金本知憲監督(48)がスペシャリストコーチの招集を決定。来季優勝へ今季リーグ5位に終わった得点力アップを目指す。このほか、浜中治1軍打撃コーチ(38)が2軍打撃コーチへ、筒井壮2軍打撃コーチ(41)は2軍守備走塁コーチへ配置転換されることも発表された。
金本阪神が来季優勝に向け、ガッツマンを1軍に昇格させる組閣第1弾を発表した。課題の得点力アップへのテコ入れとして、平野2軍守備走塁コーチが打撃コーチに就任。9日に始まる甲子園での秋季練習から高山や原口、北條ら若虎に熱血指導を開始する。2軍守備走塁から1軍打撃への昇格は異例だが、すべては平野コーチにホレ込む金本監督の鶴の一声だった。
高野球団本部長はこの日、「監督から1軍に上げたいという話が出た」と明かした。打撃部門は片岡コーチ、金本監督を含めて3人とも左打者になる。だが「片岡と浜中ではタイプが似ているが、片岡と平野では違う」と説明。「勝つ野球をするために、バントやエンドランを今年以上に加えていく」。そんな監督の意向があり、現役時代にスペシャリストだった平野コーチに白羽の矢を立てたという。
チームは今季、バント失敗やエンドラン失敗が目立った。得点は広島より178も低いリーグ5位の506得点。主力の不振も痛かったが、攻めの自滅で好機を広げられなかったことも得点力を下げた。そこで金本監督が着目したのが、阪神時代の08年と10年にリーグ最多犠打をマークした平野コーチの熟練の技。1番や2番打者で数多くのエンドランを成功させた小技の極意を伝授してもらう計画だ。
ナインへの闘魂注入も期待できる。06年のオリックス時代には、一塁側の邪飛にフェンスを恐れず頭から飛び込んで激突。胸部軟骨損傷など全身打撲で選手生命の危機に陥ったが、08年阪神でカムバック賞を受賞するなど「奇跡の復活」を果たした。意識を失っても白球をグラブからこぼさなかった姿は、金本監督が何度も残念がった「球際の弱さ」の克服にも通じる。代名詞となったヘッドスライディングもセーフを勝ち取る執念の象徴で、今のチームに足りない部分。ガッツマンの1軍昇格が、多彩な相乗効果を生みそうだ。【松井清員】
◆平野恵一(ひらの・けいいち)1979年(昭54)4月7日生まれ、神奈川県出身。桐蔭学園-東海大から01年自由獲得枠でオリックスに入団。07年オフに交換トレードで阪神移籍。12年オフにFA権を行使してオリックスに復帰。15年に引退した。今季から阪神の2軍守備走塁コーチ。169センチ、67キロ、右投げ左打ち。



