お得意様から、きっちり仕事を果たした。楽天今江年晶内野手(33)が、日本ハム先発・メンドーサから貴重な先制点をマークした。昨季の対戦成績は、16打数9安打。相性の良さを買われた先発起用で、結果を残した。

 思い切って、バットを振り抜いた。0-0の4回2死一、三塁。今江は「チャンスなので思い切って行こうと。うまく反応できたと思います。勝負どころで打つのが自分の持ち味」と初球から狙った。日本ハム先発メンドーサの甘く入ってきたカーブを左中間へ。猛ダッシュで二塁まで陥れ、両手をたたいた。4月25日ロッテ戦(東京ドーム)以来となる先発出場。今季8試合目のスタメンで、貴重な先制適時二塁打をマークした。

 好相性だった。メンドーサとは、昨季の対戦成績は16打数9安打。打率5割6分3厘と得意な相手だった。本人は「自分では(メンドーサと)相性いいとか、思っていなかった」。だが、梨田監督は「打っているという、データがあってね。いろいろ使っていかないといけない。もちろん勝たないといけないけど」。試合前まで開幕から全20試合で、スタメン起用してきた銀次をベンチスタートさせた。代わりに今江の打力に期待した。

 今江 そんなに試合に出られないんでね。結果を残さないと試合に出られないし。先制のチャンスで打てて良かった。

 チームは21試合を消化したが、今江にとっては9試合目の出番。主戦場の三塁は外国人のウィーラーが、一塁には銀次がいる。出場機会に恵まれているわけではない。第1打席は2回無死一塁の場面で、シュートを引っかけ三併殺。チャンスを逃していたが、積極打法で流れを引き寄せた。

 チームは貯金「11」で、首位の座をガッチリ死守。2ゲーム差に迫る2位オリックスと、明日2日から本拠地Koboパーク宮城で首位攻防3連戦を戦う。今江は「結果にこだわっていきます。頑張っていきます」と短い言葉の中に、熱き闘志を込めた。スタメン、ベンチの間に流れるライバル意識が、強さという相乗効果を生んでいる。【栗田尚樹】