楽天梨田昌孝監督(64)の下克上日本一の夢が絶たれた。シーズン3位で臨んだCSファーストステージは2位西武に初戦を落としながら、2連勝で福岡行きの切符をつかんだ。CSファイナルステージ、首位ソフトバンク相手にも第1戦から2連勝。破竹の4連勝と勢いを見せたが、そこから3連敗。13年以来の日本一を目指した1年が終わった。

 梨田監督 最後、抵抗出来ず、悔いが残る。(ペナントレースの)前半戦が非常に良くて、失速した時期もあったが、いつも声援を送ってもらった。チームに興味を持っていただき、うれしい。感謝します。

 勝負どころで、1本が出なかった。1回は先頭が出塁し、犠打で1死二塁としたが、銀次、島内が凡退。6回にも茂木、藤田が連続安打で得点圏に進めたが、銀次は遊併殺。レギュラーシーズンとは違い、ポストシーズンでは犠打を多用。確実に得点圏に進め1点を狙ったが、チャンスをモノに出来なかった。

 優勝を逃し、日本一も届かなかった。その中で、梨田監督は「残念な結果だが、収穫もある」と言った。先発美馬が崩れると、2番手にドラフト1位の藤平を投入。19歳の高卒ルーキーをポストシーズン初登板させた。5回にはデスパイネ、内川、中村晃を3者凡退。初対戦のソフトバンク相手に2回2/3を3安打1失点。大舞台の経験は、来季以降の大きな財産になる。

 昨季まで3年連続でBクラスに低迷したチームは、今季は3位と健闘した。来季こそ、目標のリーグVに突き進む。梨田監督は「失敗を、来年以降に生かしていけるように。個々の力がまだ足りない部分もある」と先を見据えた。【栗田尚樹】