DeNAが判定に泣いた。7回にリプレー検証の結果、判定が覆り決勝ホームを許した。先発の今永昇太投手(24)が6回1失点と好投し接戦に持ち込んだが、リリーフ陣が踏ん張れず、守備のミスも出て3-4で連敗した。アレックス・ラミレス監督(43)は明日31日から本拠地・横浜スタジアムでの第3戦へ気持ちを切り替えた。

 天国から地獄へ突き落とされた。1点リードで迎えた7回、なおも2死満塁から右前打を許し、三塁走者に続き、二塁走者の今宮も頭から本塁に突っ込んだ。際どいタイミングで判定はアウト。捕手戸柱にはタッチの感触もあった。だが、約8分間のリプレー検証の末、セーフに覆った。その間、DeNAベンチでは意見が半々に割れていたという。勝敗を分ける判定は、グラウンド外にあるビデオルームで下された。

 表情を崩さないラミレス監督は、勝機を見いだそうとしたが、その1点に屈した。それでも恨み節はない。「アンパイアの5、6人が時間をかけて検証して出してきた判定なのでセーフかなと思う」。前夜の大敗から一転して接戦の展開に持ち込んだが、致命的ミスからほころびが始まった。

 CS突破をもたらした早めの継投で勝負をかけたが、踏ん張り切れなかった。2点リードの7回。2番手の三上がピンチを広げると、柳田に対して左腕の砂田を送ったが、中前適時打を浴びて1点差。なおも1死一塁からパットンを投入。今宮を二ゴロに打ち取り併殺かと思われたが、遊撃ベースカバーに入った倉本が取りこぼした。「グラブには入っていません。ゲッツーというところで、僕がしっかり捕らないといけなかった。1つのミスで流れが変わって、ここ一番で点が入ってしまう。(今宮の足は)分かっていたんですけど…」と肩を落とした。失策で出塁した今宮に、決勝ホームを許した。

 連敗を喫し、本拠地横浜スタジアムへ戻る。ラミレス監督は「これが現実。しっかりホームで勝つだけ。あと4勝、しっかりやりたい」と前を向いた。ホームでの日本一決定はなくなった。福岡での最終決戦へ諦めるつもりはない。【栗田成芳】